お知らせ

夏バテと夏かぜ


医食同源の中国では、扇子、井戸水と涼茶(夏に飲まれる一般的な甘いお茶)が、記憶の中にある古き良き中国の夏です。その時代はほとんどの家庭でクーラーなどはなく、裕福な家庭に扇風機が一台ある程度でした。つらい暑さを避けるため、風通しがよく、日の当らない場所へ行ったものでした。扇子で扇ぎ、流れる汗をタオルで拭き、井戸水に浸けておいた冷たいスイカが、暑い夏の至福のときでした。しかし、これは子どもたちだけの特権でした。

 仕事をしている工員さんや農民さんたちは、やはりこのようなことはできません。太陽の真下で働き、温度の高い工場現場で働き、家の主婦やおじいちゃん、おばあちゃんたちはいくら暑くても家事をしたり、子どもたちの面倒をみます。そんなときに、緑豆湯(グリーン豆スープ。夏に使われる食材の代表の緑豆を煮て甘く味をつけたスープ)は、夏バテ防止の必需品となります。

 緑豆は古くから夏バテ防止の良薬で、甘みがあり、身体を涼しくさせます。中医的な効能は、胃腸、心に入っていく薬で、熱を冷まし、解毒とされ、これらの効能が夏バテ防止によいとされています。他にも、お肌の吹き出もの、脹れ、膿瘍(のうよう。化膿性の炎症)によいとされています。今では各ご家庭にエアコンがあり、地下鉄やお店に入ると寒いと感じるくらいクーラーが効いています。そのため、夏バテよりもむしろ夏風邪の発病率のほうが高いくらいです。実は夏風邪を引いているときは、風邪を外に出す薬が必要です。そのため、緑豆のスープは飲まない方がよいとされます。緑豆のスープをいただくときは、風邪をひいていなくても、自分の体に熱があるかどうかを確認してから飲んだ方がよいでしょう。

鍼、お灸、カッピン、カッシャ


「お灸で病気を治せますか」とよく聞かれます。これはとても難しい質問です。確かに昔の医者は、お灸でいろいろな病気を治しましたし、たくさんの文献も残しました。しかし、今のお灸は、昔のお灸とかなり違うものになってしまいました。
お灸治療に用いる艾(もぐさ)は、お米半粒ぐらいの大きさで、この大きさを一壮と呼びます。昔のお灸治療では、病気によって、三壮、七壮、場合によっては、三百壮も必要とすることがあります。それらを直接ツボの上に置き、ゆっくりと水疱ができるまで、時にはさらに深く燃やし続けます。そして、その後化膿させ、時間をかけて治していきます。お灸治療には、長い時間がかかりましたが、患者さんも先生を信頼していましたし、昔の人は痛みに対してがまん強く、たとえ肌に痕が残ってもトラブルになるようなことはありませんでした。それに対して、今のお灸は、昔のようにもぐさを直接肌の上に置かず、もぐさを棒状にしたものを用いて、火傷しないように少し離れたところから、肌に温熱を与えます。今のお灸でも、一部の病気は治せるかもしれませんが、施術者によって、効果が大きく違います。
カッピンやカッシャもお灸と同じように、赤や紫の斑点を出すだけで、病気を治せるわけではありません。そうでなければ、医科大学で勉強する必要はなくなります。
ただ、鍼だけは常に慎重な態度で施術しなければなりません。解剖の知識も必要で、筋肉、神経の方向などを理解し、深く刺すべき部位と浅くしなければいけない部位を、はっきり区別できなければなりません。少しでも刺し間違えれば、命に係わることとなり、村上春樹の小説に登場する殺し屋の道具になります。

日数と効果とオーダーメイド


「もっと長い日数で漢方薬を出してもらえないのでしょうか?」
「漢方薬は、効果が出るのに時間がかかるのでしょうか?」
「漢方薬はずっと飲まないと効かないですか?」
このような質問を時々受けています。

漢方薬の処方はオーダーメイドなので、患者様の症状や病歴などを聞き、舌を見て、脈を取り、諸々の情報を合わせて分析し、一枚の処方になります。飲んでいる内に体の調子が変わっていきますので、薬も合わせなければなりません。例えば、冷え症の場合は薬で温めていくと熱くなったり、汗が多くなったり、元々下痢の場合には、便が出にくくなったりなど、色々なパターンがあります。また、大部分の植物の薬草も毒があるからこそ薬になるので、既に治っている場合、飲み続けてはいけません。

一方、風や熱、湿や乾燥などは邪魔の「邪」なので、体から排出させるのが基本です。体に必要な気・血・水は、足りないとすぐに補充しなければなりません。只、「先に排出するのか?補充するのか?」は、症状や舌・脈などを診て決めていきます。この為、服薬の日数も個々に違ってきます。これを間違うと、元の病気が治っても、違う病気が出てくる可能性があります。特にかぜの場合、薬を長く飲むと問題が多いです。

漢方薬中の「コーディネイト」


女性にとって、毎年のファッショントレンドや美容メイクは多少気になるところでしょう。多くの女性は、ファッション雑誌やネットファッションブログが推薦するデザインを参考に装います。しかし、雑誌モデルはしょせん雑誌モデルであり、体型はみんなそれぞれ異なります。完全に真似をするのは、かえって逆効果にもなりかねません。服装の組み合わせだけでなく、実は、私達の生活の中で最も「組み合わせ」を重視するものがあります。それは、中医の漢方薬処方の配合です。配合が良ければ素晴らしい効果を生みますが、悪ければ効果が出ないどころか、情況は更に悪化してしまうでしょう。

以前鍼灸で鼻炎を治療したWさんは、これまで夏になると、この時期よく顔を見せる緑豆百合スープや百合蓮子スープをほぼ毎日食べていました。前回漢方に懸って以来、Wさんにお医者さんは「あなたの体質は冷え症で、たとえ真夏でもこれらのスープはあなたに合っていません。これまでのように食べたら、冷え性の上に冷えを重ねてしまい、胃腸を壊し、下あごに吹き出物ができてしまいます。もし食べるならば、リュウガンのような熱を持つ食べ物で中和して食べたほうが良いでしょう。しかし、体質を改善したいのならば、漢方薬の力を借りて養生する必要があります。1~2種類の生薬の漢方薬では何の効果も得られません。薬草の薬性によって、薬草と薬草は総合的に配合される必要があるので、“温熱性の漢方薬の中に寒涼性の薬草を含めたり、寒涼性の漢方薬の中に温熱性の薬草を含める”ことで、はじめて漢方薬はバランスを保つことができるのです」と説明しました。

ですから、漢方薬中の薬草の「組み合わせ」というものは、1枚の簡単なスカートやTシャツで出来上がる夏の装いのようなものではありません。個人の体質やさまざまな角度から組み合わせ及び調整をする必要があります。この時、どのようにして良い「コーディネイタ―」を選ぶかは、特に重要です。

お刺身・お寿司の名脇役


お刺身・お寿司によく生姜等が付いてくるのを見かけますが、それらにはどのような役割があるのでしょうか?
①生姜(ガリ)
生魚や蟹で冷えた身体を温め、食中毒を予防する生姜は名脇役です。また、胃腸の機能を高め、吐き気を治し、魚のくさみも取り除いてくれます。お寿司屋さん等にとっては、なくてはならない存在でしょう。
②紫蘇
紫蘇も食中毒を防止します。この「紫蘇」という漢字の由来も「漢の時代、蟹を食べ過ぎて食中毒で死にかけた若者を、紫色の葉っぱを煎じて蘇らせた」という伝説があります。
③山葵:殺菌作用があり、魚の生臭さを消し、食欲を増進させる作用があります。
昔のように冷蔵技術が無かった時代は,生ものの扱いは勿論、毒消しについても慎重に考えられてきたのでしょう。技術の発達により、新鮮で安全性の高い生魚が食べられるようになりましたが、暑くなってくるこの季節、漢方の力を使って、美味しく安全にお刺身やお寿司をいただきましょう。

痛くも痒くも無い(不痛不痒)


「痛くもかゆくも無い」・・・文字上では容易く見えますが、実際にやってみるとそんなに容易ではありません。言うまでもなく、みんなの前で、誰も傷つけずに自由に討論をするのは簡単なことではありません(「不痛不痒」は中国語で「誰も傷つけない」という意味もあります)。医師ともなると、多くの痛みや痒みを解決するのに、寝食を忘れて研究に没頭しなければならないでしょう。
今の人は、空を飛んでいる物から地を這う物・味がかなり濃い物・冷たい物や熱い物、そんな各種目新しい食べ物を好みます。そうすると、容易に皮膚に発疹・紅斑が出て、痒みは尋常ではありません。特に若い女性がこれらに罹ると、特効薬を求めたがります。冬は薄着、夏には水やエアコンと戯れ、加えてウイチャットで遊ぶ・・・若いのに既に首や背中が痛く、腰や膝がだるくなったりしています。
ではどうすれば良いのでしょうか?皮膚の問題でホルモン軟膏を使うと、初めのうちは効果がみられますが、往々にして根治することはできず、薬を止めるとぶり返してしまいます。長年発症を繰り返してきた皮膚疾患はなおさらです。全身の気血を中医で治療して、思わぬ治療効果をあげることができます。
首や肩の痛み・手や腕のしびれ・腰の痛みや重だるさ・膝や踝の腫れぼったい痛みには、鍼灸治療をお勧めします。治療により痛みが減っていくのが分かるでしょう。多くの人が鍼を怖がっていますが、その刺激は蚊が刺したくらいです。痛みで夜眠れないことと比べると、ずっと鍼は痛くありません。ツボに刺激が到達した時、痛みではなく、重だるい感じや痺れたような感じがします。
身体の痛みは鍼灸で治してしまいましょう。「痛くも痒くもない」をご希望の方は、春澤にいらしてくださいね。

治療とトレーニング


腰痛の方が、インターネット等の記事を見て、治療のために腹筋や背筋のトレーニングをしたが痛みが取れず、当院に来られることがあります。
トレーニングの根本の考え方は、「筋肉をどうやって増やすか」です。それに対して、治療は「症状をどうやって取り去るか」を考えます。トレーニングはゼロをプラスに、治療はマイナスをゼロにすることを考えています。
腰が痛いのですから、「弱い筋肉を鍛えて強くする」という発想は間違っていないように思われますが、まずはマイナスをゼロにする必要があります。治療でマイナスをゼロに戻した後、つまり良くなった後に、鍛えるのは何の問題もありません。
「身体に痛みがある時、身体の状態はマイナス」ということが分かれば、先に治療を行い、その後にトレーニングを行うことが見えてきます。怪我や疾病の程度にもよりますが、痛みが消えた後も暫くの間は、トレーニングを控えたほうが賢明だと思われます。
「腰痛の発生原因」のご説明をしている時に、時折「何か運動をしたほうが良いでしょうか?」と尋ねられます。何かやりたい気持ちは分かりますが、どこか痛い時は身体が安静を求めています。安静も身体の治療の一つなのです。

「湿熱」って何?


多くの患者さんは診察を受けている時、往々にして「どこの調子が悪いのか」を言わずに、「私が湿熱と言われている」と医師に言います。患者さんに「どうして身体に湿気が籠っていると思うのですか?」と尋ねると、回答はいつも「マッサージ店で言われた、自分でも分からない」と、まいりました。中医の診察では、4つの診断法を行い、一つの診断法に偏ることなく、病人を全面的に診ることを重視しています。この4つの診断法の中で重要な1つが「問診」です。「問診」とは何でしょうか?「十問歌」に「①悪寒・冷えがあるかどうか?熱があるかどうか?②汗がかくかどうか?どこに出やすいなのか③頭・手足・体の状態はどうか?④大小便はどうか?⑤飲食についてはどうか?⑥胸とお腹の状態はどうか?⑦聴覚、耳鳴りあるかなどの状態⑧口の渇きの確認、⑨既往症はどうか?⑩疾病誘発の原因は何か?薬を飲んでいるか?飲んで変化があるかどうか?女性にはとりわけ必ず月経の期間や周期・閉経・不正出血などを聞く必要があります(実はこの後、子供の天然痘と麻疹を問う一文が続くのですが、今はワクチン接種されていますので、もはや質問する必要はないでしょう)」とはっきり述べられています。ですから中医の診察を受ける時は、必ず自分の情況を医師に伝えるようにしなければなりません。
では、いったい「湿熱」とは何なのでしょうか?台湾の陳旺盛医師の説明が比較的分かりやすいです。
「火気大」は、身体の機能が過度に旺盛な一種の表現と言えます。「火気大」がこじれ、更にエネルギーを燃焼した結果、身体の熱は比較的弱くなり、転じて微熱が生じるようになります。中医では「陰虚」と言います。「陰虚」がさらにこじれると身体の働きはますます低下します。中医の「気虚」に似ています。
以上の過程で、廃棄物である「湿」が生じます。すなわち身体が、水で濡れたタオルのようになります。そして頭が重い・息苦しさ・膨満感・食欲不振・軟便が現れます。「湿証」がこじれますと「水腫」になります。まさに絞れば水が出るタオルのようなものです。水の濃度が少し高くなると、中医で言うところの「飲」(例えば「胸膜炎」で、濃度は水より高いです)になります。「飲」の濃度が更に高くなると、中医では「痰」と呼ばれます。
このようにお話すればご理解いただけますでしょうか。「湿熱」には1つ重要な症状があります。それは舌の苔が黄色くネバネバしていることです。今後、もし誰かに「あなたは湿気(又は湿熱)が溜まっている」と言われたら、先ず鏡で御自分の舌を見てみましょう。

小さなツボに大きな力


春は暖かく花が咲き、桜の花は鮮やかで、遠足やピクニックには最適な季節です。美しい春の光を受けると同時に...って、あれ?クシャミが止まらない...鼻は痒いし鼻水も出てくる...これって一体どういうこと?風邪??春のアレルギー性鼻炎??花粉症??かなり辛い(涙)。  
ついこの間、Wさんはこのような悩みに遭遇しました。朝起き抜けの突然のクシャミと鼻水。最初は「風邪かな?」と思いましたが、風邪薬を飲んでもさっぱりよくなりません。クシャミが止まらないため、「ティッシュ君」が常に彼女の傍でスタンバイしていました。OLのWさんには、すでに仕事に影響が出ていました。例えば、「電話時のクシャミの大暴れ」や「接客時の洪水のような鼻水」などです。どうしよう?まったく仕事になりません。色々な方法を試してみましたが、最後、漢方薬に一縷の望みをかけました。
それから、普段よく行っている春澤クリニックへ行きました。お医者さんはWさんに「漢方薬治療はある程度の時間が必要です。すぐに鼻水を止めたいのならば鍼灸治療を試してみたら?少なくとも今、楽になりますよ」と言いました。そして鍼灸治療の後、すごく不思議なことが起こりました。お医者さんが両手両足にたった6本鍼をしただけで、鼻水が一瞬のうちに止まってしまったのです。このあと、十数時間、クシャミや鼻水が出ることはありませんでした。「こんな小さなツボ達に、こんなすごい力があるだなんて...」Wさんは思ったそうです。

私は何を食べたら良いでしょう?


生活水準が上がるに従って、余裕がある人々は、生活の質にこだわるようになる傾向です。年長者や身体の弱い方々は特に養生に関してケアをしています。ネットや微信等の各種養生の情報が多過ぎて惑わされています。多くの方々から「食事上で何に気を付ければ良いですか?」または「何を食べれば良いですか?」としばしば聞かれます。これは私にとって大変難しい質問です。なぜかと言うと、みなさん個々の体質は違うので、一言ではなかなかうまく説明できないためです。一つ例を挙げてみましょう。芹菜(中国セロリ)は、降圧作用がありますが、性味は寒涼で身体を冷やします。胃腸が丈夫な高血圧の方が芹菜を多めに食べたならば、芹菜は血圧を下げるのに補助的に働きますが、胃腸が冷えて消化が弱く下痢をしやすい方には、あまり向いていません。
「医食同源」・「薬食同源」という言葉がありますが、これは「体調がすぐれない時に、薬を使う前に先ず食べ物で調整してみる」という事です。薬と食べ物の違いは「薬は毒があり、食べ物は毒がない」です。但し、これができるのは、余程賢明な“上医”にしかできません。
食べ物の中でお米以外は、どんなに美味しい物でも毎日食べるのは辛いです。薬に使える食べ物をたまに食べる分には身体に良いとしても、薬として使う場合は、毎日決まった時間・決まった量を食べることになるので、身体の状態に合わなかったら、食べ物でも毒のようになります。この意味で、食べ物のお勧めには、体質・症状をしっかり把握しなければなりません。そのため「私は何を食べれば良いでしょうか?」という質問に、すぐにはお答えできないのです。食事療法は、医師または栄養士の指導のもとで行いましょう。

なぜ鍼治療は痛みによく効くの?


鍼灸治療は、血液循環の改善・筋緊張の緩和・自律神経の調節・免疫調整など様々な作用が認められていますが、やはり「痛みの抑制」が代表的でしょう。現在、鍼灸治療による痛みの抑制は、下記の2点が知られています。
①血液循環改善
鍼を皮膚に刺入すると周囲が赤くなります。これは異物による刺激が、周囲の皮膚や筋肉の血管を拡張させるためで、筋肉の緊張を緩めます。
②人体の皮膚や筋肉には、刺激を受け入れるセンサーがたくさんあり、鍼刺激は大脳等に影響を与えます。その経路はおおまかに3つあります。
1)鍼刺激は、皮膚を通じて脊髄に到達した後、脊髄で大脳へ向かう痛みをブロックします。これを「上行性疼痛抑制機構」といいます。
2)鍼刺激による大脳から出た物質が、脊髄まで届き、痛みを大脳に伝えないようにします。これを「下行性疼痛抑制機構」といいます。
3)鍼刺激により、大脳より一種の疼痛抑制剤が分泌され、血管を通じて全身の疼痛を抑制します。これを「神経伝達物質性疼痛抑制機構」といいます。
これら医学用語は少し難しいかもしれません。ここでは「鍼灸治療は鎮痛効果が非常にあり、かつ副作用がない」ということを知って頂ければ、と思います。鍼灸治療は、先賢が残した最も良い物理療法なのです。

休み明けの疲れが取れない ・・・ どうしましょう? ——Y様の声を聞いてみましょう


休み明けで仕事をしなければいけないのに、なぜか旅疲れ・食べ疲れ・寝過ぎ疲れなどが一気に出てきたような感じはありませんか?特に病気でもなく、何となく無気力で、集中できない。頭がボーっとして、あっちこっち痛い・・・そんな時には、やっぱり漢方と鍼ですね。ご参考までに、ある女性患者Y様の声を聞きいてましょう!
こんにちは。
鍼灸治療、良く効きました。バカンス途中から痛かった膝がすっかり良くなりました。どこに行っても治らず、「もしやこのままでは・・・」と不安になっていた時でしたので、本当に嬉しく思います。膝の治療後、肩凝りや腰痛も無くなり、その効果のほどに、自分でもビックリしています。これは、漢方薬のおかげもあると思います。一概に漢方薬と言っても、日本の薬局で市販されているものとは違い、先ず問診をして頂いて、体質に合った処方をして頂くので効くのでしょうね。
また、膝の治療と同時に、顔に鍼をして頂きましたが(いわゆる美容鍼ですね)、顔の肌がツヤツヤになっていくのを実感しています。
体調を整えて頂けたことで、春節後の仕事にもすっきり入れました。
本当にありがとうございました。
春節休み疲れが出た方は、ぜひご相談ください。

洗剤を使わなくても良い食事


以前、食後の皿洗いをしていて気がつくことがありました。習慣で食器用洗剤を使っていましたが、母親の使ったお皿は洗剤を使わなくても汚れが落ちるということでした。母親に聞くと、食事に対して一大決心をしたそうです。醤油・塩・油はほとんど使わないとのこと。高血圧・高中性脂肪・高悪玉コレステロール持ちの母親が、「血圧・中性脂肪・悪玉コレステロール共に正常値になった」と言っていました。
「*一汁一菜」は日本における食事献立の構成の一つでした。もともとは、おかずが一品しかない「質素な食事(粗食)」の意味で用いられた言葉でした。しかし、食生活の欧米化・食べ過ぎ(栄養過多)・肥満傾向などの「飽食」が健康を害しているという事実が明らかになった近年では、むしろ良い意味の言葉に変化しました。
上海に住んでいると、どうしても脂っこい物や味の濃い物をたくさん食べてしまいがちですし、元旦や春節の前後になると宴会などが増えると思います。たまには「洗剤を使わなくても良い食事」を取り入れてみてはいかがでしょうか。
*①主食:玄米など
②汁物:味噌汁など
③おかず(惣菜)一品
④漬け物(香の物)
以上4種類をセットにしたもの

お米は最高の滋養薬


千百年来、お米は江南人の聡明さと利発を養ってきました。お米は南方人のDNAにしっかりと根付いています。故郷を遠く離れても、一杯の白粥と数粒の落花生や漬け物・乳腐(*1)があれば、故郷に戻ったようです。生まれたばかりの赤ちゃんが母乳を飲まなくても、米湯粥鬻(*2)を食べれば、しっかりと成長することができます。山海の珍味は美味しいですが、毎日食べれば食べる気がしなくなります。しかし白いご飯は食べ飽きません。
 歴代の偉大な医者は、お米で胃腸を養う霊薬を作りました。特に有名なのは、「傷寒論」にある白虎湯と「金匮要略」にある附子粳米湯です。中医では脾胃を土と例え、気血を作る源としています。病気の時、胃腸を保護するのは、中医の一番重要な役割です。「白虎湯」は主に外感高熱を治療しますが、大量の石膏で熱を取り除き、お米を加えることで冷えによる胃の不調を防ぎます。「附子粳米湯」は大辛・大熱の性質を持った附子で身体の寒を取り除き、お米でもって胃腸を守ります。お米を薬に入れるのは古人の智恵です。
 しかし、いつから始まったのか分かりませんが、低糖ダイエットや雑穀をお米の代わりに食べる流行が起こり、新し物好きな人達がお米を食べなくなりました。問診で、雑穀によって胃を壊してしまったお年寄りのおばあちゃんに出くわしただけでなく、お米を食べないために体を壊してしまったお嬢さんもいました。問診時に皆さん「ふだん何か体に良い物はないでしょうか?」と良く聞かれます。そんな時、私は「お米が一番良いですよ」と答えるしかありません。健康に気を使う方々は必ず白いご飯をなくさないようにしましょう!
(*1)豆腐を発酵させ塩漬けにした食品。
(*2)水分を多くして炊いた粥の上澄み液。重湯。
お粥を作る時、日本ではすでに炊き上がった白いご飯を煮ますが、中国では生のお米から炊きますので、出来上がったお粥が濃厚でねばねばです。

薬食同源:当帰生姜羊肉湯季節グルメのご紹介


元旦が過ぎ、上海は一番寒い季節を迎えました。「今年は膏方を処方していませんが、何か他に滋養に良い方法はないでしょうか?」と多くの人から聞かれています。中医の奥は深いので、当然その方法もたくさんあります。しかし、重ねて申し上げますが、冬の滋養は人によって異なります。全ての人が同じような物を摂り入れて良いわけではありません。これらの事は、皆さん既に知っていることと思いますので、説明はいたしません。今日は皆さんに滋養が摂れる季節のグルメ、「当帰生姜羊肉湯」をご紹介致します。
当帰生姜羊肉湯に使われている材料はごく普通の食べ物です。しかしその出典は普通ではありません。医聖・張仲景の「金匮要略」の「腹满寒疝宿食病脉证治第十」にあり、「お腹の膨満感・腹痛・悪寒・あくび・くしゃみ・鼻水を主に治療する」とあります。ここまで読んだ皆さま、ゆめゆめ慌てて羊肉を買いに走って調理してはなりません。必ず、下記をお読みになってから判断してください。判断を誤って食べてしまって、発熱・発疹等の問題を引き起こさないようにしてください。
「腹满寒疝宿食病脉证治第十」は14の処方があり、当帰生姜羊肉湯は第9枚目の処方です。原文では「寒疝腹中痛、及脇痛里急者、当帰生姜羊肉湯主之(冷えてお腹が痛む時、脇が痛んで腹部が引き攣れる時、当帰生姜羊肉湯が適切)」とあります。 「当帰生姜羊肉湯は当帰三両・生姜五両・羊肉一斤からなる」と記されていますが、この単位は漢時代の単位です。近代の章太炎先生が漢五铢銭でもって考証したところ、一両は今の約三銭に相当し、大体9グラムくらいです。当然これは、治療用の分量ですので、ふだんの滋養の場合には、御自分の好みに応じて減らしても構いません。
羊肉と生姜はどちらも温熱の食材ですので、寒がりな人・手足が冷える人・下腹がしくしく痛み、お腹を温めたり押されると気持ち良い人に向いています。逆に、ふだん暑がりで汗が多い人・お腹が痛く、押されるのが嫌な人・口が渇いて冷たい物を飲みたい人には向いていません。体質の寒温が分からない人は、漢方専門医に判断を仰いでください。

「後ろ向き」と「前向き」


知り合いが入院すれば、お見舞いに行きたくなるのが人情です。
私が膝蓋骨骨折で入院した時のことです。知人達に「具合はどう?」「どこに入院しているの?」としつこく聞かれました。しかし、入院中は髪の毛はボサボサですし、時には痛みを堪えて笑顔も作れません。また、お風呂も入れませんでしたから、「出来れば他人に会いたくない」というのが本音でした。結局、ほとんどのお見舞いをお断りしてしまいました。物事に対して、正面から向き合えない自分がそこにいました。
かって、NHK交響楽団指揮者の岩田宏之さんという方がいらっしゃいました。岩田さんは職業病である頸椎後靭帯骨化症を患いながらも、首にコルセットを装着しながら指揮棒を振りました。その後、続けざまに胃がん・喉頭腫瘍・肺がんと病魔に襲われても、その度に復活し、指揮を披露しました。
ある時、楽団員が「先生、これだけのお病気をされて大変ですね」と言うと、岩田さんは「病気?だからどうした!」とのみ仰ったそうです。
全ての人がそのような生き方ができるわけではありませんが、過去にこのような方がいらしたというのは、とても励みになり、私も見習うべきと感じました。

年末年始


12月もすでに後半になり、もうすぐクリスマスです。天気予報では毎日寒波の予報ばかりですが、外に出ると暖かい日差しが気持ち良いです。旧暦10月ですから“小春日和”と呼ばれる時期でしょう。上海ではクリスマスが過ぎ、元旦以後一番寒くなり、厳しい寒さの中で新年を迎えます。
昔暖房がない頃、冬になると厚い綿入りの“棉袄”(上着)や“棉裤”(ズボン)を着ていました。それでも、座ってあまり動かないお年寄りや虚弱体質の方々には、湿気のある寒い冬を過ごすのは大変でした。南方の裕福な家庭には、煎じた漢方を更に濃くした「膏方」と呼ばれるゼリーみたいなものを服用し身体を温める伝統があり、今でも続いています。良い膏方は体を温め虚弱を補うだけではなく、味も美味しいです。膏方の処方箋も、竹筆のきれいな字で書かれ、それ自体とても値打ちのある物です。そうでなければ、誰が苦くて渋い物に大金を払うでしょうか。衣食は満ち溢れていても活力が不足している今、以前の様々な伝統はますます形式が残るのみとなっています。
年末年始は宴会が多いですが、飲食・飲酒の節度には注意が必要です。ありきたりな事ですが、あえてお話し致します。人生には避けられない事が多いですが、事前に準備をし、終わったらすぐさま穴を埋めるのも必要でしょう。この辺は、中医を生かした多くの方法があります。

年末のご挨拶に代えて


またたく間に11月末になり、年末がまたやって来ました。「冬は膏方で滋養を」という宣伝が多過ぎて、少々うんざり気味です。この季節の空はどんよりしていて、夏の間あんなに鬱陶しかった太陽の光を恋しく思います。最近、日中両国のリーダーが新しい日中友好を再開したニュースをみて、懸け橋の砂礫である私たちは幾ばくかの慰めを感じました。日系車の破壊から爆買い・東芝買収に到るまで、これはただ10数年間の出来事です。
先日の食卓で、両国の人の性格という話題になって、褒める言葉も貶す言葉もあり盛り上がりました。日本語の「真面目」は何となく褒める言葉に聞こえますが、「融通が利かない」という貶す意味も含まれています。一方、中国語の「臨機応変」は褒める言葉に良く使われますが、貶す場合は「いい加減」となります。「真面目―融通が利かない」と「臨機応変―いい加減」は、まるで言葉の裏表のようで、陰陽両極の感覚を思い出されます。「黄帝内経」では「陰陽離決、精気乃絶(陰陽が離れると精気は無くなってしまう、滅亡の意味です)」とあります。どんな事でも極端に到ってはいけません。極端さは引き裂いてしまいます。双方を引き裂くことは、お互いに痛みを感じる結果になります。陰陽学の勉強は、中医学の最初にあるカリキュラムです。陰陽対立*1・陰陽互根*2・陰陽消長*3・陰陽転化*4などの「陰陽」について学びます。簡単に言ってしまうと、「陰と陽は一つの物の両面であり、陰の中に陽があり、陽の中に陰があり、陰陽のバランスが保たれていることが大切」ということです。養生や健康も同様で、過度は良くありません。ご飯を食べるのが人間の生きるベースです。食事が正しく摂れていれば、薬を飲む必要もなくなります。
皆様の来年のご健康と、きちんとご飯を食べて、お薬を飲まないで済むような1年になることを、心からお祈り致します。
*1:「陰陽は対立・制約し合う関係にある」の意。
*2:「陰が無ければ陽が存在しないと言うように、お互いに依存している関係」の意。
*3:「陰陽の対立・制約や依存は、静止状態でなく、常に変化している」の意。
*4:「陰陽は、一定の条件下で陰は陽に、陽は陰に転化する」の意。

自覚症状を重視する


漢方の診察に来られた際は、検査結果やマッサージに行った時に言われた事より、「自覚症状」を詳しく説明する方が大事です。先日、「漢方の臨床」で日本の名医・大塚先生の文章を拝読しましたが、その説明が非常に適切なので、引用させて頂きました。
「漢方では患者さんの自覚症状というものを非常に重視します。自覚症状を重視すると言うのは、自覚症状が治療に直結しているわけですね。こういう訴えをするときはこういう治療法があるということが古い時代から記されているわけで、漢方の治療法を決定するには、たとえば膀胱の中に氷が入っているようだなんていうのは大事なインフォメーションになるわけです。ですから、それを非常に真面目に取り上げてやるということなんです。
その辺が患者さんに満足がいって、それによって非常によくなることがかなりあるんです。現代医学のほうでいうと、不定愁訴症候群というような感じになると思うんですけど、そういうものがわりあい漢方の得意とする分野であるということでしょうね。」(大塚恭男論文集「東洋医学の世界」より)

身体は生命の「借家」


「身体は自分の物で、どんなふうに使ってもいい」という考え方ですと、必ずいつか壊れます。しかし、もし自分の身体を生命の「借家」と想定すると、無茶な使い方はしないと思います。返却しなければならないからです。
そして、「家」には定期的なメンテナンスが必要です。もちろん、メンテナンスをしているからといって、家が新築になるわけではありません。しかし、メンテナンスを重ねるうちに、メンテナンスをしていない周りの家が老朽化していくので、「自分の家はメンテナンスのおかげで良い状態を保っている」と相対的に分かります。
不健康な人は、「朝起きて腰が痛い・ご飯を食べて胃が痛い・歩いて足や膝が痛い・座りっぱなしで腰が痛い・テレビを見て頭痛がする・夜は眠れない」と1日中身体のことを考えています。しかし、健康な人は、朝起きてから夜寝るまで、あまり身体のことを感じません。不健康な人を見て、「自分は健康」と意識することでしょう。
身体は生命の「借家」であり、大切に扱い、問題があればすぐにメンテナンスしなければならないことを忘れないでください。そうすれば、この「借家」は雨風をしのぎ、生命をより充実させてくれるでしょう。

「本人の気持ち」と「身体の声」


身体の中には2人いると感じます。二重人格等ではありません。一人は「本人の気持ち」で、もう一人は「身体の声」です。
例えば、接待等で大酒を飲んだ後、私たちは「身体をすぐに回復させたい」と思います。しかし、それは「本人の気持ち」であって、「身体の声」ではありません。「身体の声」は「こんだけ負担をかけたのだから、少しは労わってくれよ」です。しかし「本人の気持ち」は「仕事も忙しいし、出張や会議もある。そんなにゆっくりなんてしてられない」で、双方譲らずです。
少し無理をしても辛くなければ回復したと感じがちですが、「身体の声」は非常に正確に受けた負担を覚えています。そして「身体の声」を毎回無視していると、しっぺ返しを受けます。痛みを出したり、やる気をなくさせたり、内臓の機能を低下させたり、ありとあらゆる手段を使って自己主張を始めます。「本人の気持ち」の一番きついところに、「身体の声」が納得するまで文句を言い続けます。
「本人の気持ち」は大切ですが、それだけでは健康になれません。
身体の内なる声に耳を傾け、「身体の声」を満足させてあげることが大切です。

秋は下痢しやすい


天気がだんだんと涼しくなり、気持ちの良い気候になってきているにもかかわらず、最近下痢で悩んでいる方も少なくないです。漢方を多少分かっている方は「湿が多いと下痢しやすいのは理解できるけど、乾燥している秋にどうして下痢?」とお思いでしょう。今回は、このことについてお話したいと思います。
確かに季節は白露(注1)になり、長夏(注2)の蒸し暑さは大分消えていますが、今年の夏は例年より温度が高かったです。暑さは最も「気(生命エネルギー、元気や気力の気)」を損ない易いです。肺の「気」が虚弱になると風邪に罹りやすく、朝のくしゃみやノドのいがいがの咳がやたら出ます。胃腸の「気」が弱っていると下痢し易くなります。夏の終わりは雨天も多かったので、湿度が高いです。近頃では、冷たい空気が南下してきて、肌寒さが増してきました。中医では、湿という邪気はネバネバで、なかなか取り除けず、熱に遇うと湿熱になり、寒に遭うと寒湿になります。この2種類の湿はどちらも下痢になる原因です。明確な判断は下痢以外の症状や舌・苔・脈と合わせなければなりません。
下痢になったら原因を問わず、生・冷・脂っぽい食べ物を避けなればなりません。生・冷は生野菜・果物も含みます。また、中華のデザートに良く出てくる緑豆スープやユリの根スープ等の漢方的に冷たい性質を持つ料理、アイスクリームなど冷たい物、海鮮や川の魚介類など体を冷やす食べ物もそれに当たります。脂っぽい物は割と解かりやすいので、ここでは省略します。下痢をしている時に、一番良い食べ物はお粥でしょう(お米は胃腸を良くする古来漢方の生薬です)。山芋を細かく切ってゆっくり煮込むと、美味しい「山芋粥」が出来上がります。「山芋粥」は近代中医第一人者と呼ばれる張錫純先生のお勧めの品です。彼は一味薯蓣飲という漢方の薬を作成し、ただ山芋一味のみで、無数の患者を救いました。この薬で、三か月下痢が治らなかった三十代の婦人を治癒したことが、彼の著作に記載されています。この為、胃腸が弱い方、特に下痢をしやすい方にはお粥や山芋お粥がお勧めです。
注1:2017年は、9月7日~9月22日にあたります。
注2:2017年は、7月7日~8月6日にあたります。

病は気から


ストレスで胃腸の病気や突然死を招くメカニズムを、北海道大の村上正晃教授(免疫学)のチームが解明し、15日付のオンライン科学誌イーライフで発表した。ストレスで起こる脳内の炎症が関わっていた。「病は気から」の仕組みが裏づけられたといい、ストレス性の病気の予防や診断への応用が期待される。
チームは、睡眠不足など慢性的なストレスをマウスに与えた。そのマウスのうち、自分の神経細胞を攻撃してしまう免疫細胞を血管に入れたマウスの約7割が、1週間ほどで突然死した。一方、ストレスを与えただけのマウスや、免疫細胞を入れただけのマウスは死ななかった。
突然死したマウスを調べたところ、脳にある特定の血管部分にわずかな炎症があることを発見。炎症はこの免疫細胞によって引き起こされ、通常はない神経回路ができて胃腸や心臓に不調をもたらしていたことがわかった。
村上教授は「同じストレスを受けても、この免疫細胞の量や脳内の炎症の有無によって、病気になるかどうかが分かれると考えられる」と話している。

睡眠のすすめ


8月23日は「処暑」です。処暑の「処」は、「身を隠し、終える」という意味があり、暑い天気が間もなく終わることを表しています。この頃、多くの人々は身体のダルさを覚え、朝なかなか起きられないことが多く、昼間の仕事もつらくなりがちです。これら、いわゆる「秋バテ」には、十分な睡眠をとることが重要です。
中医では、「自然界は陰陽の増減の中に置かれ、それは昼夜の交替で現れる」とされています。昼は陽であり、夜は陰です。体内の陰陽の気も、この増減に伴って変化します。「目が覚める」と「眠る」の交替です。目が覚めることは陽に属し、眠ることは陰に属します。「日が昇ったら働き、日が沈めば休む」というのはここからです。
処暑の節気は、暑い季節から涼しい季節へと移り変わりの時です。そして、寒暖の変化と共に、陰陽及び昼夜の時間も変化します。もちろん睡眠に要する時間も盛夏の頃と比べて徐々に長くなります。
理想的には「夜10時前に就寝し、睡眠時間を1時間程度増やすと良い」とされています。しかし忙しい現代において「夜10時に寝るなんてムリ」とおしゃる方には、昼寝の時間(正午の頃に15分~30分くらい)をとるのも1つの方法です。
自然に合わせた養生をして、健康的な生活を送りましょう。

心のかぜ


ますます暑くなる天気に、気持ちもイライラしがちです。インターネット時代の今現在、私たちの周りには、情報が溢れ、変化も激しく、のんびりと過ごすのは贅沢となっています。移り変わりの早い周りを見て、「自分も早くしないと遅れるのではないか?」と何とも言えない不安・イライラ・焦燥感が募っていきます。これは、すでに心の病に罹っている症状で、別名「心のかぜ」と呼ばれています。
普通の風邪なら、薬を飲み、水を飲んで休めば、すぐに治ります。「心のかぜ」も普通の風邪同様、早めに治療することが大切です。鬱傾向・軽い鬱から精神疾患へ進ませないことが肝要です。
たとえば会社で問題があると、その悩みによる不眠が原因で、昼間の集中力が減退し、失敗が更に多くなったりします。この時、風邪を治すのと同じように思い切って休み、自己調整を行い、状態を元に戻すのが一番です。しかし、挫折感・悔み・腹立たしさに加え、上司からの叱責などから、休まず無理にこらえたりすると、「失敗→悩む→失敗→悩む・・・」の悪循環に陥ります。単なる情緒不安定レベルから自責・憂鬱へと進み、最悪の自殺の念にまで至りかねません。
うつ病になりやすい人は、往々にして完璧主義で、集中力があり、正義感や責任感に富んでいますので、家族や友達の助けが必要です。
また、漢方も、心身の安定・情緒調節に有効です。その治療方法は多く、治療効果も確かです。

夏は「湿」を取り除きましょう!


連日高温のため、中国人“朋友圈”には「夏の過ごし方や対策」などが多く見られます。7月7日から8月6日の夏の一番暑い期間を古来中国では長夏と称します。長夏は暑い以外に湿度の高さが特徴で、暑さを防ぐと同時に除湿にも注意を払わねばなりません。中医は湿度の高さを風邪と同様に重視し、湿邪と言います。湿邪にかかった時、体が重くて疲れ、眠くなり、下痢や浮腫を引き起こしやすいです。毎日空調の中にいる現代人は、猛暑の対策を考える同時に「湿」を取り除くのも重要です。
このような「湿」は一体人間の体にどんな反応があるのでしょうか?実は、「湿」があるかどうかの判断は、まず問診して症状を確認しますが、その中でもっとも大事なのは舌と苔です。正常な人の舌の苔は、うっすらと白い半透明な粘膜ようなものが覆っていますが、「湿」が籠っている人の舌の苔は比較的に厚く、舌の(本来の)色が隠れて分かりません。白く粘っこい舌の苔は「寒湿」で、黄色く粘っこい舌の苔は「湿熱」と判断されます。
夏の厳しい暑さは人体の「正気」を傷つけ、冷たい飲料は胃腸を損ない、下痢になりやすいので、くれぐれも用心が必要です。中国は「薬食同源」の伝統で、夏に湿を除くためにヨクイニンやハスの実、オニバスの実、ヤマイモなどを食べる習慣があります。食物として加えるのは良いですが、病気を治療する薬物としては専門の指導が必要です。

「鍼が怖い」という方に朗報です!


上海春澤中医クリニックに汪暁明先生が着任しました。汪先生は、中国・上海中医薬大学でリハビリテーション医学を、アメリカ・デュケイン大学院で理学療法学過程を修了しました。先進的な運動療法・物理療法と伝統的な中医推拿療法の知識と技術を用いて、様々な痛みを治療します。特に頸・肩・腰痛及び脳卒中後遺症の治療を得意としています。
今まで「鍼が痛みに効くのは知っているけど、ちょっと怖いな・・・」とお思いの方、汪先生の治療を試してみてはいががでしょうか。
汪先生の治療時間は、毎週土曜日の午後1時~5時です。お気軽にお問い合わせください。

ダイエットと漢方薬


日本では、お腹周りが気になる人のダイエット薬として、「防風通聖散」が人気があります。街中の薬局でも気軽に購入できることも、この漢方薬の人気に拍車をかけています。
私の知人も「防風通聖散」をダイエット薬として飲み始めましたが、すぐに下痢が始まってしまいました。聞けば、「防風通聖散」を飲む前の便通は正常だったそうです。
「防風通聖散」の適応症は「悪寒発熱、昏眩、目が充血して痛く、口苦して渇し、咽喉は不利で、胸膈は痞悶し、大便は秘結し、小便は短赤である」とされています。「便秘解消→肥満解消」からダイエット薬になるという発想が出たのかもしれません。
しかしながら、「防風通聖散」は、実証向けの処方になっていますし、下剤が配合されているため、体力のない人や(私の知人のような)便通が普通の人には適しません。確かに、この漢方薬を飲み、下痢を続ければ体重は減りますが、健康的なダイエットとは言えないでしょう。
漢方薬の使い方は「用薬如用兵」と言われます。「ダイエットに効く」という宣伝文句を鵜呑みにして自己判断するのではなく、信頼できる漢方医師に相談し、自分の体質に合った漢方薬を飲むようにしましょう。

指の話


よく友人が私の所に来て「あなたは何を治せるの?」と聞いて来ます。この質問に答えるのは少し難しいです。他人からするとウソと思われるかもしれませんが、私に言わせれば、「何でも治せます」です。中医は本当に何でも治せるのです。もし治せないのであれば、それは医者の力が足りないのです。これは簡単なことではありません。医聖である張仲景は「観其脈証、知犯何逆、随証治之」と言っています。これは「中医は脈の症状に基づき、総合的に分析・判断し、治療を進めていく」ということです。今回はみなさんに、生活の中で起こった指に関する二つの症例をご紹介します。
家のお手伝いさんが「お医者さんが手の爪を剥がすと言っています。とても怖いです。どうすれば良いでしょう?」と泣きながら言ってきました。いきさつを聞いてみると、手の指を怪我して、細菌感染してしまいました。患部は痛い上に、赤く腫れ上がり熱も持っていました。先ず患部を切り開き膿を出し、抗生物質を用いましたが、赤みも腫れも痛みも一向に収まらないため、医者は「爪を剥がす」と言い出したのです。私は彼女を慰め、漢方薬を3日間飲んでもらうことにしました。もし良くならなければ、爪を剥がしに行くということで。彼女は半信半疑で「漢方薬が本当に効くのですか?」と聞いてきたので、私は「試してみて。3日すれば、効くか効かないかはっきりするから」と答えました。そして3日後には、彼女の指は見事に回復しました。私は五味消毒飲加当帰和黄芪を用いたにすぎませんでした。中医外科の入門的な方剤です。
もう一つは、日本人男性のお話です。彼はテニスをしていて、転んだ時に無理な手の突き方をしたため、中指が曲がってしまいました。西洋医学で「靱帯損傷」と診断されましたが、幾らかの鎮痛薬を貰っただけで、何の治療法もありませんでした。当院に来られた時の指の腫れはひどく、正常な指の2倍の太さでした。痛みも耐えがたく、触れることもできませんでした。また、関節は固まって、曲げ伸ばしすることもできませんでした。このような方には、「活血化瘀」の効能を持つ桃紅四物湯の服用とお灸による治療が適しています。毎回30分以上の灸治療を行うことで、腫れと痛みは徐々に消えていき、指も動かせるようになりました。前後10回の治療を行ったところ、曲がっていた指は、すっかり真っ直ぐになりました。
中国医学は深く豊かであり、最も簡単なことが往々にして最も有効なのです。

鍼で痛みを治す


気温が上がるにつれて、スポーツをされる方が増えてきました。それに伴い、怪我をされる方が増えています。怪我の主な症状は痛みです。
漢方では、血液循環の滞りが痛みの原因とされています。いわゆる「不通則痛・通則不痛」で、身体の内外の原因に拘わらず、循環が良ければ痛みはゆっくりと消えていきます。鍼は「気を通すのに優れた道具」です。身体の巡りを回復させ痛みを減らし、治癒の手助けをします。
外傷以外にも、長年持病的に抱えていた肘や腰や首肩の痛みなどが、「数回の鍼でほとんど無くなった!」などのケースもたくさんあります。
しかしながら、痛みが無くなった後の治療も大切です。「痛みが無くなったから治った」と思われる方もいますが、実際は、痛みが無くなってから傷の完治までには一定の時間が必要です。この間はスポーツなど身体の負担になることは控える必要があります。
スポーツだけでなく、デスクワーク等で発生した身体の痛みにも、鍼は効果があります。また、鍼で目の周りの隈(クマ)が薄くなった!という人もいますので、女性の方もお試し下さい(参照2017年2月15日号)。
「鍼治療自体、痛いのではないか?」と怖がる方もいますが、鍼灸治療で使用する鍼はとても細いので、一般の注射や採血と比べて痛みもかなり少ないです。また、痛みを感じないように、日頃より心を込めて研究しており、痛みを最大限抑えています。

漢方の加法と減法


最近の「漢方の臨床」という雑誌で、日本漢方の文章を目にしました。以下にその文章の要約を記します。
「現代を生活する私たちは、漢方の「補」の観点による様々な食品・サプリメントに囲まれています。しかし、私は日常の診察で「患者様の“不足”はどこにあるか?(加法)」ではなく「どのようにして“余計なもの”を取り除くか?(減法)」を先ず考えます。「傷寒論」の汗法・吐法・下法や朱丹渓の「気血痰鬱」理論が基にあります。」
私は、この考え方に全くもって賛成です
 人参・西洋人参・石斛・楓斗・燕の巣・魚油・カルシウム剤・プロポリス・ロイヤルゼリー等の高価な滋養強壮品の摂取について友人達が熱く語るのを聞き、「必要のない物を食べて、みすみす身体を悪くしてしまうのではないか?」と、私は心配してしまいます。
 「実すれば則ち之を泻し、虚すれば則ち之を補す」は漢方診療と養生の原則です。現代人は飽食で、飢えや寒さに耐えられません。また、エアコンを多用し、生モノや冷たい物を好みます。そして、飲食のコントロールをせず、情緒は不安定です。やみくもに滋養を摂り、かえって病気を引き起こしやすくしています。特に、感冒や下痢等で外邪を受けた時は、滋養を摂るのを慎むべきです。  
最近流行っている「断・捨・離」の理念のように、日常の食生活においても、「滋養を摂りたい」と思ったり「健康食品を摂りたい」と思った時には、先ず「余計な物を取り除く(減法)」必要があるかどうかを考え、その後「何を加えるか?(加法)」を考えるべきでしょう。

食と健康


「食と健康」に関してのお話はこの世にごまんとありますので、あまり深入りしたくないのですが、友人とお喋りをしていますと、どうしてもこの話題になります。4~5年前「扁鹊(中国、戦国時代の伝説的な名医)の三豆飲」と関連のある文章を書きました。当時、そこで紅豆・緑豆・黒豆・薏苡仁の効能を紹介しましたが、「これらを食べてはいけない人」や「時々は良いが、毎日は食べてはいけない人」のことは書きませんでした。そこで、今回はこれらのマイナス面(副作用)のお話をしたいと思います。
①紅豆は血を補わず
紅豆の生薬名は、赤小豆で、上海人は一般的に赤豆と呼んでいます。豆の色が赤いからでしょうか、多くの人は「赤豆は血を補う」と思っています。漢方薬の本の中では、紅豆は「利水滲湿薬」に属します。味は甘・酸、性格は平、関連する臓器は心臓と小腸で、効能は清熱利水・散血消瘀です。時々お菓子として食べるのに問題ありませんが、毎日のご飯として食べるのは問題があります。特に、身体の弱っている陽虚のお年寄りには向いていません。消化しにくく、紅豆の効能である清熱利水が簡単に陽気を傷つけてしまうからです。
②冬、緑豆を食べるべからず
以前、緑豆は夏の食べ物でした。なぜなら緑豆の効能は、清熱解毒・消暑(夏バテを治す)だからです。何といっても、暑さは夏が一番です。その夏の中でも、小暑・大暑・処暑は最も暑い時期です。その時期に緑豆湯を飲むのは良いとして、他の季節はどうでしょうか?もちろん問題ありません。しかし、お菓子としてではなく、清熱解毒の効能を持つ生薬として頂きます。
③便秘の人は薏苡仁を食べるべからず 薏苡仁は米仁とも呼ばれています。漢方薬の中では、利水滲湿薬に属し、利水滲湿・除痺(しびれ)・清肺排膿・健脾止泻の効能があります。便が泥状の人や浮腫になりやすい人に薏苡仁は合っています。しかし、便秘の人が薏苡仁を食べると、便秘は更にひどくなってしまうでしょう。
以前の文章の補充として、今回の文章をお届けします。

生理不順


女性は、毎月やって来る生理に本当に悩まされます。「痛み」は言うまでもありませんが(「生理痛」については3月29日号をご覧ください)、「痛み」以外にも様々な悩みがあり、生理周期や期間の長短・経血の量(特に大量出血の場合は、救急車で運ばれることもあります)などがそれです。数千年もの間、中華民族は漢方とともに生活してきました。今から百年前でさえ、先賢達は一本の鍼・一掴みの薬草で命を救っていました。
「私は明確な診断をするために各種検査を行うことに反対ではありません。しかし婦人科病の手術の前に、先に漢方治療を行ってみたらどうですか?」と提案すると、多くの人が「漢方治療は時間がかかると言われています。治療が手遅れになりませんか?」と質問するかもしれません。私の個人的な見解は、「漢方が有用かどうか?1~2週間の漢方治療を試してみれば身体の変化を感じることができるので、それでもって漢方治療を続けるか否かを決定すれば良い」です。もちろん、完治にはケースバイケースが必要です。
生理不順には多くの原因がありますが、いくつかの共通点があります。
①夏、涼しさを求め過ぎる・エアコンの冷やし過ぎ・冷たい物の摂り過ぎ・冬、おしゃれによる手足の露出:これらは、冷えの侵入を簡単に許し、正常な血液循環を妨げます。
②情緒不安定:これは、正常な気の流れに影響を与え、気や血の滞りを生み出します。
③飲食における不摂生:生ものや冷たい物の食べ過ぎ・脂っこい物や辛い物の食べ過ぎ・過度なダイエットなどです。適切な飲食は、気と血の根源であり、身体の維持や生命活動の源になります。
最後に、いったん問題が発生したら、積極的に治療すべきです。漢方治療を試してみるのも良いでしょう。

便秘


便秘とは、お通じが出ない状態をいい、医学的には、「排便が2~3日に1回程度あって、“なかなか便が出ない”“便が出ないと苦しい”といった自覚症状がある場合」とされています。
便秘でお悩みの方は、成人全体で約14%、7~8人に一人と言われています。男女別・年代別ですと、20~40歳代の女性と70歳以上の男女に便秘の多いことが分かっています。.肌荒れやニキビの原因にもなる便秘は、女性の大敵とも言えます。
漢方では便秘を大きく4つに分類します。
①熱秘タイプ:辛い物やお酒の摂取しすぎにより、胃腸に熱が籠って便秘になります。
②気秘タイプ:気血の巡りが精神的ストレス等で悪くなり、腸の機能が低下して便秘になります。長時間座っている人や運動不足の人もこの便秘になりやすいです。
③虚秘タイプ:気の不足の「気虚」と血の不足の「血虚」が便秘の原因となっているタイプ。長期間病気を患っていたり、老化により気血が不足した場合に便秘になります。
④寒秘タイプ:冷え等が原因で、身体を温める機能が低下したことが原因で排便しにくくなり、便秘になったタイプ。
漢方の便秘の治療法は、体質改善を行いつつ、お通じの状態を整えるという方法です。便秘の患者様の多くは、下剤を使用していることが多く、連用すれば、常習性となる事が多いです。下剤の増加や連用に悩んでいた患者様が漢方によって、下剤の減量又は使用しなくてもよくなったケースも多くみられます。常習性便秘で悩んでおられる方は、一度漢方を試してみられてはいかがでしょうか?

生理痛


殆どの女性は、毎月必ず何日間か調子の悪い日があります。軽い腹痛を伴う出血は、女性にとって、ごく普通の生理現象なので、その痛みは「生理痛」と呼ばれています。「生理痛は病気ではない」と一般的に思われがちですが、「痛みがひどくなると鎮痛剤を飲まずにはいられない」という方も少なくありません。
私の患者様の一人に、結構有名なアナウンサーの方がいます。彼女も生理痛が十年以上続き、殆ど毎日鎮痛剤が必要でした。しかも、ひどい時には一種類の鎮痛剤では足りず、「そのうち飲む薬がなくなるのではないか?」という不安から私のところに来られました。彼女は一年以上漢方薬を飲んで、どうにか痛みのある日数は減り、程度は軽くなりましたが、まだまだ先は長いと思います。
このような毎月の煩わしさから、生理が来なくなるようにするホルモン・ピルを飲まれている女性もいらっしゃいます。
その方は仕事が忙しく、「生理痛は面倒だから」という理由から、ホルモン・ピルを飲んで、生理を止めていました。しかし、「最近結婚したので、子供が欲しい。ホルモン・ピルを止めて、正常の生理に戻したい」というご希望で来院されました。まだお若いので2・3か月の漢方で生理は正常に戻りましたが、排卵後の高温期を維持できないため、漢方薬を飲み続けています。
「結婚したから子供が欲しい」と思うようになっても、ホルモン・ピルが原因で子供ができなくなるケースもあります。不妊治療のために、ホルモン剤やいろいろな最新医療技術を求め、最後にどうにもならなくなった段階で「漢方でなんとかならないですか?」と来られる患者様も当院にはいらっしゃいます。本来ごく簡単な病気が、複雑になってしまった結果です。
本来、女性の生理不順は、よほどの生理的な問題が無い限り、漢方で殆ど治すことが可能です。上記の2例は極端かもしれませんが、やはり早い時期に治すべきと思います。

梅花鍼で薄毛解消


多くの方が悩まれている脱毛の治療は、一般的に難しいとされています。しかし、漢方には良い治療法がたくさんあり、鍼灸治療による育毛法もその中の一つです。漢方では、頭髪を「血余」といい、陰血の滋養を必要とします。頭髪と血は、このように密接な関係にありますので、頭皮の血流の滞り(血瘀)は脱毛症の原因の1つと考えられています。刺激を頭皮に直接与えることにより、血液循環を促進し、頭髪を成長させます。
頭皮に直接鍼刺激を与えるため、多くの方が恐怖心を抱きますが、実際に治療を行ってみると、ほとんどの方が「思ったほど痛くない」と感じます。その上、副作用がありません。これが、私たちが鍼灸治療をお薦めする理由です。
当院では、「梅花鍼(短い鍼が植えこまれた歯ブラシ状の器具)」を使用します。鍼の並びが梅の花に似ていることから、「梅花鍼」と名付けられています。梅花鍼で頭皮を叩き、ほんの少し出血させて、頭髪の成長を促します。
一般的に梅花鍼は、円形脱毛症治療に使用されます。しかし、その他の脱毛症、特に男性型脱毛症(AGA)にも効果があります。この梅花鍼による治療と並行して、漢方薬を服用されますと、更に効果はアップすることでしょう。

鍼灸でダイエット


「きれいになりたい!」そんな時、漢方は強い味方です。「医療だから、病気や身体の不調を治すものでは?」と思われるかもしれませんが、漢方はひとりひとりの身体のバランスを整え、本来の健やかな状態を導くものです。実は、むくみやシェイプアップや産後太りにも有効なのです。統計データでは、80%の人が鍼灸ダイエットに成功しています。
当院でも、妊娠して体の線が崩れたのを気にされて、鍼灸治療をされた方がいらっしゃいました。彼女の場合、2週間で4回の鍼灸治療を行い、ウエストが4センチ細くなりました。
中医の理論では、鍼灸治療によって気の流れを良くし、滞っている気・血・水をうまく動かすことで、老廃物の排出や代謝を促していきます。肩こりや腰痛も治療できます。また、不安感やイライラも中医では、一つの症状とみなして対処します。当院の鍼灸ダイエットは食事制限等がないので、彼女の場合、赤ちゃんのための母乳への心配もありません。
出産後の方だけでなく、ダイエットを気にかけているほとんどの人に効果がありますから、お気軽にご相談ください!漢方薬と組み合わせると、更に効果的です。また、女性は効果が出やすいと言われています!

鍼と漢方薬でキレイになる


漢方は医療だから、病気や身体の不調を治すもの、そんなイメージが強いです。しかし、それは西洋医学の考え方です。本来は、ひとりひとりの身体のバランスを整え、本来の健やかな状態を導きます。
「上海で暮らして、病気までいかないけど、身体のだるさがとれず、疲れやすいです。便秘がちで肌もパッとせず、シワも増えたような気がします。元気でキレイでいたいです。」というお悩みをお持ちの患者様が来院されました。
このような状態を「亜健康」といいますが、西洋医学の病院へ行っても「異常無し」で終わる事が多いです。なぜなら、不快感がありつつも、検査で何も出ない時、西洋医学では、病と認められないからです。
問診を行い、舌と脈をチェックしたところ、身体全体のエネルギーが低下していました。また、気や血も不足し、その巡りも良くありませんでした。気や血の巡りが良くないので、身体の湿(余分な水分)の抜けが悪くなっていました。そこで、身体にエネルギーを与え、気と血の巡りを良くする漢方薬を処方しました。もちろん患者様ひとりひとり全く違うオーダーメイドです。「漢方薬は効果が遅い」と思われがちですが、それは漢方薬が患者様に合っていないからかもしれません。早い方では、2日くらいで効果が出始めます。
肌のくすみやほうれい線に関しては、漢方薬だけでなく、鍼も効果があります。鍼は、血行を良くし、筋肉の凝りをほぐします。ほうれい線が薄くなり、肌はワントーン明るくなり、目が大きくなった事を多くの方が実感されることでしょう。
高価な健康サプリメント飲まれたり、美容整形をなさる前に、副作用も少なく安全な、漢方治療を試されてはいかがでしょうか?

大人のアトピー(ある日本人患者様より)


私は、小さい時からアトピーに苦しみ、ずっとステロイド剤を塗ってきました。その中で、忘れられない出来事がありました。
それは、私が大学を卒業し、初めて就職したばかりの頃です。
当時の私は、会社の近くの皮膚科に通い始めたのですが、その時の医者は、ステロイド剤を出すだけでなく『この石鹸を買え』『このシャンプーがいい』『洗剤も買え』と診察のたびに勧めてきたのです。しかし、勤め始めたばかりの私にとってそれらは安い買い物ではありませんでした。
私は躊躇し、ある時「これを全部買ったら、アトピーが治るんですか?」と聞きました。その質問は、彼にとってよほど意表をついたらしく、まるで信じられないバカを見るような目で「治るわけないじゃないですか、アトピーなんだから!」と言いました。
その瞬間、私の頭の中は真っ白になり、怒りで声が震え、やっとの事で「あんたそれでも医者か!」と一言だけ言って、それきりその病院にはいきませんでした。
アトピーであることが本当に悲しかったです。医者のビジネスの為にステロイド依存症に仕立て挙げられているとさえ思いました。
絶対ステロイドをやめてやると思ったものの、中々それは、かないませんでした。他の対処方法がわからなかったからです。
ステロイドをやめ、アロマオイルだけを塗り、手足が3廻りくらい腫れ上がったこともあります。
しかし私の苦しみは、葉先生と出会うことで終わりました。
漢方でアトピーを治療する場合、何年もかかり、その間地獄のように肌がガサガサになり、包帯だらけになるというイメージを持っている人がいませんか?実は、私がそうでした。
しかし、しっかりとした先生に診てもらい、自分の症状に合わせて調合してもらった漢方薬は驚くほど、早く効きます!薬を飲み始めて2週間ほどで、体の腫れはほぼなくなり、皮膚の表面の熱っぽさも無くなってきたのが実感できました。それに伴い痒みもほとんどなくなりました。その後半年が経ち、完治とはいきませんが、かなり状態はよくなっています。炎症だけでなく、肌全体の色が明るくなり、肌の奥の方まで潤いも感じます。
皮膚が荒れている時は、人に会うのも嫌だったのですが、今ではそれもなくなりました。
医者でもない私が、ここに書かせてもらった理由は、『アトピーは治る病気である』ということを伝えたかったからです。
西洋医学では無理でも、ちゃんとした漢方の先生に診てもらえば、治ります。この文章を読んでくださった皆様の中でアトピーで苦しむ方がいらっしゃったら、ぜひ葉先生に相談してみてください。人生を変えるチャンスになると思います。

身体の中から肌を蘇らせましょう!

前回のアトピーの話は、反響が大きくて驚きました。それほど肌のトラブルについてお悩みの方は多いのでしょう。

その後、アトピーの患者様から「乾燥肌と痒みがひどかったので、初めて漢方薬を処方してもらい飲んでみました。2週間ほど経ちましたが、肌の表面が潤ってきて痒みも無くなり出した感じがします。何故このようなことがが起きたのでしょうか?」というご質問を頂きました。

 漢方薬で、肌のトラブルを治療する時に、塗り薬を想像する方もいらっしゃいますが、実際は飲み薬での治療がほとんどです。乾燥肌と言っても、患者様ひとりひとりの原因や体質が違いますので、それを見極め、それぞれに合った漢方薬を処方します。身体の中から陰陽のバランスを整えていくのが、漢方の基本です。

乾燥肌の場合のほとんどは陰が不足しています。そこで生薬を使って、身体の中から栄養を沁み渡らせます。その後、肌の隅々まで、潤っていき、かさぶたや痒みが治っていきます。西洋医学の点滴は、すぐにオシッコになって排出されてしまいますが、漢方の生薬は身体の機能そのものに働きかけ、本来持っているチカラを蘇らせます。もちろん、肌のトラブルの全てが乾燥だけではありません。熱や冷えもありますので、全身の状態を確認し、的確な処方が大事です。痒みだけでなく、シミ等を消すチカラまで、漢方薬にはあります。

漢方薬の使い方は「用薬如用兵」と言い、一歩間違うと全然違う結果になるので、信頼できる医師を選んでください。

 

診療日記 漢方相談室 漢方のQ&A
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